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​Welle 

時間が過ぎていくと
少しずつ変わっていく
私はそれがイヤで目を瞑った

揉まれて、また揉まれて
波に流されていく
汚れた手を見つめて、まだ洗えず

Mirror​

ねえ、そんなのはイヤだよ
ダメ、塞ぎ込まないで
それは言い訳して逃げてるの
だから顔を上げてこちらを見て


夜遅くまで仕事で
ほら、またやつれている
少し休もうと呼びかける
だけど、こちらの声は届かなくて

鏡の中でなければ手を
繋ぎに行きたいのに


アナタは一人じゃないよ、抱えずに
独り言でいいから


ねえ、そんなのはダメだよ
ほら、顔を上げて見て
風が気持ち良く髪を揺らす
青い空を背景に映す

アナタはこんなにキレイだと
涙落ちる笑顔で
 

Wintertime

アルバイト帰りでとぼとぼと歩く

街灯に照らされ淡く光ってる

傍に残る雪が青い影映す

それが今の私色、心境に見えて

だから上見れば沢山の

星が綺麗だけれど

2年前思い出し俯き歩く

 

 

2月の初め頃、彼女に言われた

「好きな人がいる」と名前を告げられ

戸惑ったけれども旧知の仲だし

決別するのはイヤで背中を押してた

だから私もね、その人が

好きだと言えず泣いて

帰宅中、上見れば冬の星空

卒業前の14日に

放課後の時、告白

教室の外、やるせないけど

これで良いんだと

だけど本当は現状を

嬉しく思えず、また

嘘をつき逃げている

そんな自分がイヤ

 

だから薄暮下、駈けていく

歯を食いしばりながら

倒れ込み上見れば、輝く夜空

 

 

家の前に着くと彼女が立ってた

「待っていたんだよ」とその手には冬すみれ

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